ガガーリンの打ち上げ直前のコロリョフとのお茶目な会話 [<宇宙ニュース>]
ユーリ・ガガーリン(Yury Gagarin)と言えばやはり「地球は青かった」の台詞が印象的だと思います。1961年にボストーク1号(Vostok)による旧ソ連で人類初の宇宙飛行に成功しました。
打ち上げ直前の「パイエハリ」(さあ、行こう)も有名ですが、さらにその前の会話も記録されていたようです
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■「ソーセージで密造酒」とジョーク
ニュースサイト「lifenews.ru」によると、ソ連ロケット計画の父と言われるコロリョフが最も心配したのは、人類の英雄になろうとしていたガガーリンが地球に戻ってきた後に食べる物が十分にあるかということだったようだ。打ち上げのカウントダウンが近づく中、コロリョフが無線でガガーリンに「フラップに夕食と夜食、朝食が入っているから」と告げると、ガガーリンは「了解」と返答。
コロリョフがまた「ソーセージとキャンデー、紅茶に入れるジャムもあるから。63個あるから太るぞ!きょう(地球に)戻ってきたら、すぐに全部食べてしまえ」と続けると、ガガーリンは「ソーセージがあるっていうのは大事なところだ。これで密造酒が飲める」と返した。するとコロリョフは「ばか、全部録音されてるんだぞ」とさらに冗談を飛ばした。
「lifenews.ru」のサイトには、この会話が最初に書き取られた用紙の写真も掲載されている。また管制が打ち上げ前の最終点検を行っている間、ガガーリンは鼻歌や口笛などで自分を鼓舞していたと言う。
しかし、すべてが順調にいったわけではなかった。管制が「調整するのを忘れた」と述べ、粘着テープをはがして部品を調整するようガガーリンに頼む場面や、コントロールパネルのライトの一つが点灯しないのでハッチの調整が必要だと言われる場面もあった。そのたびにガガーリンはすばやくこなし、そしてひとたびロケットが飛び立つと、目に入るものを逐一、嬉しそうに報告した。
多くの歴史家が、ソ連当局は無重力状態で宇宙飛行士が失神する可能性をかなり懸念していたと指摘しているが、ガガーリンは「無重力という感覚は気持ちいい。何もかも泳いでいるみたいだ」と報告した。当時27歳だったガガーリンは108分間の人類初の宇宙飛行を終え、無事に地球に戻った。(c)AFP/Dmitry Zaks
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今年はガガーリン(ユーリイ・アレクセーエヴィチ・ガガーリン)が1961年4月12日にバイコヌール宇宙基地から、地球周回軌道を成功させてから50年を迎える年です。アメリカはその翌年1962年2月20日にジョン・グレンが地球周回軌道を成功させました。
彼の1時間48分の旅から、現在の宇宙ステーションなどの開発競争への一歩が踏み出されたのです。
国連では、4月12日を「国際宇宙飛行デー」とし、ロシアばかりではなく、世界各地でイベントが行われています。
youtubeでもそれを記念してロゴが青い地球です。
ちなみにガガーリンは1968年3月27日、34歳の若さで訓練飛行中の事故で亡くなっています。
lifenews.ru(http://www.lifenews.ru/) ロシア語です
Youtube 記念特別サイト First Orbitより 英語です
First Orbit - Trailer I 1min14sec
First Orbit - Trailer II 1min38sec
First Orbit - Trailer III 1min38sec
本編です(英語) 1時間40分です。
2011-04-13 06:00